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歯磨剤選びの3つのチェックポイント

こんにちは、歯科衛生士の水田です。実りの秋、そして紅葉の季節がやってきました。地域の秋祭りやハロウィンなど、楽しみも増える10月ですね🎵お口の健康も体の健康につながりますので、日頃のケアを大切にしていきましょう。

毎日の習慣を見直す!「なんとなく」で選んでない?歯磨剤選びで変わるオーラルケアの質

あなたは毎日、どんな基準で『歯磨剤(歯磨き粉)』を選んでいますか?「CMで見たから」「パッケージがきれいだから」「味が好きだから」。もちろんそれも一つの基準ですが、「なんとなく」で選んだ歯磨剤が、実はあなたの口の悩みに合っていないかもしれません。

歯磨剤は、単に歯をきれいにするだけでなく、歯の健康を守るための『医薬品』にも匹敵する重要なアイテムです。自分の口内環境や目的に合ったものを選ぶことで、毎日のオーラルケアの質は格段に向上します。

この記事では、歯磨剤選びで失敗しないための3つのチェックポイントと、知っておきたい主要な成分の働きをご紹介します。

歯磨剤選びの3つのチェックポイント

1. 悩みに合わせた「有効成分」をチェック!

歯磨剤の最大の役割は、有効成分の力であなたの口の悩みを解決に導くことです。主な悩みと、それに効果的な成分を見てみましょう。

悩み 配合をチェックしたい主要成分 期待できる効果
虫歯予防 フッ素(フッ化ナトリウムなど) 歯の再石灰化促進、歯質強化、虫歯菌の働きを抑制。
歯周病(歯肉炎・歯周炎)予防 トラネキサム酸、IPMP、CPC、β-グリチルレチン酸 歯ぐきの炎症を抑える、殺菌作用、歯周病菌の増殖抑制。
知覚過敏 硝酸カリウム、乳酸アルミニウム 歯の神経への刺激伝達をブロックし、しみるのを防ぐ。
口臭予防 LSS、CPC、ラウロイルサルコシンナトリウム 口臭の原因となる菌を殺菌、発生を抑制。
歯の美白(ステイン除去) ポリエチレングリコール(PEG)、ポリリン酸ナトリウム 着色汚れ(ステイン)を浮かし、再付着を防ぐ。

 

特に重要なのがフッ素です。 2023年以降、大人用歯磨剤のフッ素濃度の上限は1450ppmに引き上げられました。虫歯予防を重視するなら、この高濃度フッ素配合のものを選ぶのがおすすめです✨

低年齢児の誤飲に注意: 3〜5歳頃までは、うがいが上手にできないことがあるため、保護者が歯磨き粉を歯ブラシにつける量を管理しましょう。

うがいは控えめに: 歯磨き後、フッ素を口の中に長く留めるために、うがいは水で1回だけにするのがおすすめです。

  • 1,450ppmは高濃度: 6歳以上は永久歯が生え始める時期で虫歯リスクが高くなるため、高濃度のフッ素が効果的です。ただし、歯科医師に相談して使い始めるのが安心です。
年齢  推奨フッ素濃度 使用量
0〜2歳 500ppmまたは1,000ppm以下 米粒大(1〜2mm)
3〜5歳 500ppm~1,000ppm グリーンピース大(約5mm)

6歳以上

1000ppm~1,450ppm 歯ブラシ全体(1.5〜2cm)

2. 「研磨剤」の強さをチェック!

歯の表面を磨き、着色汚れを落とす役割を持つのが研磨剤(清掃剤)です。

  • 特に知覚過敏の方や、歯茎が下がり歯の根元が露出している方、電動歯ブラシを使用している方は、歯や歯茎を傷つけないよう、低研磨または研磨剤不使用のジェルタイプを選ぶのがおすすめです。「低発泡」「低研磨」と記載されている製品をチェックしてみましょう。

3. 「発泡剤」の有無と味をチェック!

発泡剤(ラウリル硫酸ナトリウムなど)は、泡立ちを良くし、口の中に成分を行き渡らせる役割がありますが、泡立ちすぎることで「しっかり磨けた」と勘違いし、すぐにブラッシングを終えてしまう原因にもなり得ます。

  • 時間をかけて丁寧に磨きたい方や、歯科医院で指導された磨き方を実践したい方は、泡立ちが少ない低発泡タイプやジェルタイプを選ぶと、長時間のブラッシングがしやすくなります。

  • 味の好みも重要です。刺激の強いミントが苦手な方は、ハーブ系やフルーツ系のフレーバーを選ぶことで、毎日の歯磨きが苦にならなくなります。

人気の歯磨剤は?

最近は、特定の悩みに特化した製品や、歯科専売品が注目を集めています。

  • 虫歯予防の決定版として当院でも人気の高い『チェックアップ』シリーズ(高濃度フッ素と低研磨・低発泡)

  • 歯周病が気になる方におススメの『SP-Tジェル』(高濃度フッ素、研磨剤無配合)
  • ステインを浮かせて落とす『ブリリアントモア』(フッ素配合、口臭予防)
  • 知覚過敏の方におすすめの『メルサージュヒスケア』(高濃度フッ素、歯周病予防にも)
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これらは当院で手軽に購入できます。

終わりに

歯磨剤は、歯ブラシと並んであなたの口内環境を左右する大切なパートナーです。もし今の歯磨剤に「これといった効果を感じていない」なら、一度パッケージの成分表を見て、ご自身の悩みに合ったものに替えてみませんか?

理想のオーラルケアは、「正しいブラッシング」と「適切な歯磨剤」の組み合わせで実現します。毎日の歯磨きを、もっと効果的な時間に変えていきましょう!


ご自身の歯の健康に関して不安がある場合は、歯科医師や歯科衛生士に相談し、専門的な視点から歯磨剤のアドバイスをもらうことをおすすめします。