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ブログ

食べる機能を養う食育講座

こんにちは!イシカワ歯科、歯科衛生士の田口です(^▽^)
11月になり、一気に寒くなりましたね。特に朝晩は冷えるので、体調管理を。ちなみにわたしは体調管理ため、毎日ヨーグルトなどを食べて乳酸菌を摂取しています(笑)
今年も残りわずかですが、頑張っていきましょう。そして2021年をより良い一年にしましょう!
では、今回のブログのテーマは「食べる機能」についてです。
お子さんの食の悩みを抱えておられるご家庭が最近多いようです。幼稚園、保育園を対象に行った調査では、半分以上の方がお子さんの食事に心配事があると回答しておられます。
子どもの「食べる力」はおっぱいに吸い付く力(原子反射)のように生まれつき備わっているわけではありません。毎日の食事のなかで発達し、獲得していく能力なのです。
食べることがちょっと苦手なお子さんのお口の成長に役立つ歯科ならではのアドバイスをぜひ参考にしてみてください。

●離乳期(5,6カ月~)
離乳食を食べてくれないと、なにが原因か悩みますよね?
原子反射がまだ少し残っていると、いくら離乳食をあげても「べー」と舌を出してしまいます。離乳食をはじめる時期を見極めるにはちょっとしたコツがあります。スプーンを下唇にちょんちょんとつついた時、舌で押したり、口を尖らせスプーンを入れさせないのはまだ早いというサインかもしれません。このころは唇の感覚が発達し、ペーストを下唇に巻き込んで取りこむ力がついてきます。親御さんが食事をすると一緒に口を動かして食べる意欲を示すので、親御さんが美味しそうに食事する姿をたくさん見せてあげてください。
●離乳中期(7,8カ月~)
下の前歯2本が生えてくる頃から、上唇もよく動くようになり、舌の動きも活発になってきます。初期とは違う食べ方が始まります。唇が左右にキュッキュッと引っ張られていたら、それが食べ物を舌で押しつぶしているサインです。形のないペーストからやわらかくてつぶせるような形のあるものを食べられるようになっています。スプーンを横からお口の前に持っていき、食べさせるのが良いでしょう。
●離乳後期(9カ月~)
ついに下あごをもぐもぐ動かす「噛む」時期が始まります。
この時期は手づかみ食べが始まり、掃除が大変(汗)
口に少し遅れて手の発達も始まるのですが、まだ不慣れなので、口に詰め込めるだけ詰め込み、「ゲッ」と出しては適量を学びます。その時、喉に詰まらせないように十分注意してください。
●離乳完了期(1歳~1歳半)
奥歯が生え始め、カミカミ噛むことが上手になります。離乳後期に適切な一口の量が分かるようになり、「自食」がさまになってきます。「食べやすく」と一口サイズに切って与えると、かじり取りの練習ができません。離乳食に手をかけすぎないことも大事ですよ。昨日の発達とともに「自分で!」という自己主張が始まります。こうして食べる意欲を育てていきましょう。

◆こんな時は歯科受診を◆

食べる機能の発達のほかに、歯並びや噛み合わせも影響します。
以下の問題があると「食べること」が苦手になりやすいかも・・・
①前歯が噛み合わない(開咬)
指しゃぶりが原因で顎が変形し、前歯が閉じなくなります。前歯でかじれないので、横の歯でかじろうとします。3歳後半になったら、やめるように促しましょう。
②虫歯の多発
虫歯で歯がぼろぼろになってしまうと、前歯でかじったり、奥歯でよく噛むことが出来ません。定期的に歯科受診を行い、虫歯予防に努めましょう。
③口をぽかんと開ける癖がある(口呼吸)
口呼吸で唇が閉じないため、前歯と上顎が前にせり出します。そうすると、下顎の成長と咀嚼の動きを邪魔し、食事しにくくなります。まだ骨格が柔軟な小学低学年のころに、唇の筋力を鍛え、口呼吸を改善すると、歯並びに良い影響が見込めると思います。

最後になりますが、食べる機能は個人差があります。今は食べることが苦手というお子さんもちょっとしたアドバイスで改善できる可能性は十分あります。
歯科の子育て支援として、お悩みがある方はぜひ診療を受けてみてはいかがでしょうか?