歯周病とからだの病気
こんにちは、歯科衛生士の藤原です。
暑い日が続きますね、、
皆様体調など崩されないよう、熱中症にも気をつけてお過ごしください。
歯周病が全身の病気と関係していると聞かれたことはありますか?
歯周病といえば、進行すると歯を支える顎の骨がなくなって歯を失う原因になる病気です。
歯の根元周りに付着したプラーク(細菌のかたまり)の作用により炎症が起こり、あごの骨の破壊が進み、それにともなって歯茎も腫れ、出血します。
歯だけの病気と思われがちな歯周病ですがそれだけでなく、多くのからだの病気にも関連するといわれています。
歯周病菌が関連する全身の病気として、
糖尿病、脳卒中•脳梗塞、アルツハイマー型認知症、肝動脈心疾患、慢性腎疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患、結腸•直腸がん、関節リウマチ、早産や低体重児出産など
があげられます。
歯周病菌がからだの病気に関連して悪影響を及ぼす仕組みとしては、3つ考えられています。
まずひとつ目に歯周病の原因である歯周病菌そのものが悪さをするという考えです。
炎症が起きている歯茎から細菌が入り込み、血流に乗って全身に広がって行きます。その結果、毒素を出したりして血管や臓器に悪影響を与えるといわれています。
とくに歯周病菌の親玉であるポルフィロモナス・ジンジバリスという菌は、歯茎から侵入して全身をめぐっていく力が強いとされています。
歯周病菌がからだに悪さをする仕組みふたつめは、
歯茎の炎症によって生み出された物質が悪さをするという考えです。
歯周病になり歯茎で炎症が起こると、免疫細胞が集まってきて細菌をやっつけようとします。その時につくり出されるのが「炎症性物質」というものです。この物質が血流を介して全身にまわり、炎症を引き起こすとされています。
そして、最後の三つ目は新しく注目されているもので、歯周病菌が腸に入って悪さをするという考え方です。
腸内細菌叢(腸内フローラとも呼ばれています)ということばをテレビで乳酸菌飲料などのCMで耳にされたこともあるかもしれません。その人がもつ、腸内細菌のパターンのことで、だいたい小学生ごろにはその人の腸内細菌叢が確立するといわれています。
腸内細菌叢の役割としては、からだの防御反応に深くかかわっていて
人体の免疫の約7割を担う「腸管免疫」や
菌がからだの中に入り込まないようにする「バリア機能」があります。
腸内細菌叢が乱れると免疫やバリア機能が弱まりさまざまな病気になってしまうというのは想像しやすいですよね。
口と腸は消化管の上と下で繋がっています。飲み込まれた口腔内の細菌は、バイオフィルムというベタベタした団子状の集合体になってしまったら胃酸でも死にません。
重度の歯周病の方であればそれだけたくさんの歯周病菌を飲み込んでしまうということになります。
健康な状態の腸内細菌叢に歯周病菌が侵入すると、腸内細菌叢による防御反応が低下させ
全身の病気の発症•悪化につながってしまうと考えられています。
病気の予防のためには、健全な腸内細菌叢を維持していくことが大切です!
◎定期的な歯科受診•検診で健康なお口を維持する
◎脂肪や糖質を摂りすぎる食生活は避けて、腸内細菌叢のバランスを保つ
などを意識してみてください!
歯周病を予防、改善してより健康なからだづくりを目指しましょう^^