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ラバーダム防湿について

こんにちは! 歯科衛生士の馬渕です。
暑い日が続いていますが、皆様どうお過ごしでしょうか?
今回は『ラバーダム防湿』についてのお話です。
ラバーダム防湿とは根管治療などの際に、ゴムのシートを治療対象の歯にかけて隔離し唾液の侵入を防ぐ為の物です。治療中の唾液などの湿気を吸湿する方法は他にもありますが、ラバーダム防湿がもっとも効果的で確実な方法です。


        ↑2枚目の写真がラバーダム防湿をしている状態です。


ラバーダム防湿は根管治療の際に必要ですが、治療時間の短縮、手技の簡略化、費用がかかるという事を理由に取り扱っている歯科医院は少ないです。
日本の大学で根管治療を専門に学んだ先生でもラバーダム防湿を使用している割合は25%、それ以外の歯科医院だとわずか5%しか使用していないというデータがあります。
実際に私も臨床実習で7カ所の歯科医院を回りましたが、ラバーダム防湿を使用している歯科医院は1軒もありませんでした。
当院では状況によって使用できていない場合もまれにありますが、ほとんどの根管治療でラバーダム防湿を使用しています。
ラバーダム防湿を使用する第1の目的は、乾燥させた清潔な状態が保たれたまま根管治療ができるという事です。
他の使用目的としては、
⓵口腔内を守れるので、ラバーダム防湿無しでは使用するのが危険な殺菌力の強い薬剤を使う事ができる。
⓶治療器具や機器の誤飲や誤嚥を防ぐ。
③唇や頬粘膜を排除できるので治療対象の歯が見やすく、排除する手間が省けるので術者が集中しやすい環境を作る事ができる。

根管治療を成功させるには、無菌状態を徹底する事が大前提であり、ラバーダム防湿の使用の有無は根管治療の成功率や、処置後の疼痛に大きく影響します。
ラバーダム防湿を使わずに行った根管治療の成功率は30%~50%ですが、それに対してラバーダム防湿を使用した場合の成功率は90%だと言われています。
ラバーダム防湿を使用せずに根管治療を行うと、根管内に唾液が混入する事があるので再発のリスクを高めます。唾液の中には細菌が沢山いるので、唾液が根管内に混入してしまうと細菌を繁殖してしまい、せっかく治療を終えてもまた治療が必要になってしまいます。

ラバーダム防湿は使用した方が良いという事をお話ししましたが、ラバーダム防湿を使う事が出来ない人もいます。
口腔内にシートをかけるので、鼻呼吸が出来ない人には使う事が出来ません。シートの素材はラテックスなので、ラテックスにアレルギーがある方も使えませんので、該当する方はお気軽にスタッフにお申し出下さい。