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よく嚙むといい事いっぱい

こんにちは、歯科衛生士 北村です。

早いもので、今年も残すところあとわずかになりました。大掃除は進んでいますか?私は先週末に窓拭きをしました(^-^)/ポカポカ陽気の中すると気持ちが良かったです。

さて、今月はよく噛むと良いことがいっぱいあるよというお話です。
「一口に30回は噛もう」とか、聞いたことのある人もおられるのではないでしょうか。意識しないと、なかなか30回は嚙めません。早速、次の食事の時に意識してみてください。
他にも、子どもに噛むことの大切さを分かりやすく知ってもらうため、頭文字をとった「ヒミコノハガイーゼ」などというのも、もしかすると学校の保健だよりなどで知っておられるかもしれません。簡単に説明すると、

「ヒ」: 肥満防止
ゆっくりよく噛んで食べることで、食べ過ぎを防ぎ、肥満防止につながります。

「ミ」:味覚の発達
食べ物の形や固さを感じることができ、味がよくわかるようになるなど味覚が発達します。

「コ」:言葉の発達
口の周りの筋肉をよく使うことで、あごの発達を助け、表情が豊かになったり、言葉の発音がきれいになったりします。

「ノ」:脳の発達
脳に流れる血液の量が増えるので、子供は脳が発達し、大人は物忘れを予防することができます。

「ハ」:歯の病気予防
よく噛むと、唾液がたくさん出ます。唾液には食べ物のカスや細菌を洗い流す作用もあり、むし歯や歯肉炎の予防につながります。

「ガ」:ガンの予防
唾液に含まれるペルオキシダーセという酵素が、食品の発ガン性を抑えるので、ガンの予防につながります。

「イー」:胃腸快調
消化を助け、食べ過ぎを防ぎます。また胃腸の働きを活発にします。

「ゼ」:全力投球
身体が活発になり、力いっぱい仕事や遊びに集中できます。

これだけでも、よく噛むと良いことがいっぱいあることが、わかりますが、ここからは、「ノ」脳の発達の大人の物忘れ予防の部分、認知症予防につながるというところを詳しくお話ししたいと思います。

神奈川歯科大学の研究によると、自分の歯がほとんど残っておらず、入れ歯も使っていない人は、自分の歯が20本以上残っている人に比べて1.9倍認知症の発症リスクが高いことが、報告されています。さらにこの研究では、自分の歯がほとんとなくても、入れ歯を利用して、歯の無い部分を補っていれば、認知症の発症リスクを4割程抑えられる可能性があるとも示しています。
つまり、噛むという動作には、脳の働きを活発にする効果も認められているのです。そのため、歯周病やむし歯で噛むという動作に支障がある状態が長く続くと、間接的に認知症の発症リスクとなります。

噛めば噛むほどに口の周りの運動量は増え、舌や口周りの筋力が鍛えられたり、唾液の分泌を促したりします。よく噛んで、顎を動かすような食べ物を食事に取り入れてみましょう。過剰に柔らかくしたり、細かく刻んだりすることは認知症予防のためにはなりません。
かといって、無理に堅いものを食べようという訳ではありません。堅いものは、歯が割れたり、重度の歯周病の場合、歯の揺れを大きくさせてしまう場合があります。堅いものを食べるのではなく、噛みごたえの有るものを回数多く噛む事を意識してほしいのです。また、単に嚙めばいいわけではありません。食べ物を入れずに上下の歯がカチカチあたるのは、歯にも顎にも良くありません。

認知症予防にはよく噛むこと。よく噛むためには、むし歯や歯周病予防·治療をしっかりして、噛めるようにしておくことが大切です。毎日の丁寧な歯磨きはもちろんのこと、定期的な歯科医院へのチェックとお掃除を忘れないでください。