放置すると大変!?親知らずについて知っておきたいこと
皆さん、こんにちは、歯科衛生士の北村です。今日のテーマは、多くの方が気になる「親知らず」についてです。
親知らずってどんな歯?
親知らずは、前から数えて8番目に生えてくる一番奥の歯で、正式には「第三大臼歯」といいます。だいたい10代後半から20代前半に生えてくることが多いのですが、人によっては全く生えてこない場合や、大人になってから生えてくることもあります。
他の歯と違うのは、生えてくる時期や生え方が人それぞれ大きく異なる点です。まっすぐ綺麗に生えてくることもあれば、斜めや横向きに生えてきたり、歯ぐきの中に埋まったまま出てこないこともあります。
なぜ親知らずはトラブルが多いの?
親知らずが厄介者扱いされることが多いのは、以下のような理由が挙げられます。
- 生えるスペースがない: 現代人は顎が小さくなる傾向があり、親知らずが生える十分なスペースがないことがあります。そのため、無理やり生えようとして他の歯を押したり、斜めに生えてしまったりすることがあります。
- 磨きにくい: 一番奥に生えているため、歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりやすいです。これにより、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
- 炎症を起こしやすい: 中途半端に歯ぐきから顔を出している親知らずは、歯ぐきとの間に細菌が入り込みやすく、炎症(智歯周囲炎)を引き起こすことがあります。腫れや痛みを伴い、ひどい場合には口が開けにくくなることもあります。
親知らずを放置するリスク
親知らずのトラブルを放置すると、以下のような問題を引き起こす可能性があります。
- 虫歯: 親知らずだけでなく、隣の健康な歯まで虫歯にしてしまうことがあります。
- 歯周病: 周囲の歯ぐきに炎症が広がり、歯周病を悪化させる可能性があります。
- 歯並びへの影響: 斜めに生えた親知らずが他の歯を押して、歯並びを悪くしてしまうことがあります。
- 顎関節への影響: 噛み合わせが悪くなることで、顎の関節に負担がかかることがあります。
- 嚢胞の形成: まれに、埋まったままの親知らずの周りに嚢胞(膿の袋)ができることがあります。
親知らずの治療はどうするの?
親知らずの治療法は、その状態によって異なります。
- まっすぐ綺麗に生えていて、特に問題がない場合: 清潔に保つことで、そのまま様子を見ることもあります。
- 虫歯や歯周病になっている場合: 治療が必要になります。
- 炎症を繰り返す、周りの歯に悪影響を与えている場合: 抜歯を検討することがあります。
「もしかして親知らずが生えてきたかも?」「親知らずが痛む」など、気になる症状がある方は、我慢せずに早めにご相談ください。レントゲン撮影などを行い、親知らずの状態を診断し、適切な治療法をご提案させていただきます。