Monthly Archives: 4月 2022
1月からイシカワ歯科でお世話になってます、衛生士、北村です(^-^)/
先日の雨と風で満開だった桜も全部散ってしまいましたね。皆さんお花見は行きましたか?私は、昼間と夜の2回も彦根城に見に行って、春を満喫しましたよ。
さて今回のお話は、「唇や舌の正しい位置」についてです。
唇や舌が正しい位置にあると、歯にかかる力も釣り合いが取れるようになります。逆に言えば、唇や舌が正しい位置にないと、歯並びに影響することもあるということです。特に子供の時期にこの正しい位置を意識することが、歯並びには大切です。
歯は、前歯なら唇と舌、奥歯なら舌と頬に挟まれています。唇、舌、頬それぞれの力がうまく釣り合うことで、きれいな歯並びができるのです。
唇は「軽く閉じている」のが正しい位置です。少しでも開いていると、唇の力がよ弱くなり、出っ歯になってしまうこともあります。(ただし、唇を閉じている時、上下の歯は当てない方がよい)
舌は、舌先がスポット(上の前歯の裏側からほんの少し後ろにある歯ぐきのふくらみ)にあたり、舌全体が上顎にくっつくように上がっているのが正しい位置です。
普段、舌先が下の前歯の裏に当たっている人は、舌の位置が低すぎます。(低位舌)
低位舌だと、頬からの力に押されて歯が内側に傾いたり、上顎の成長にも影響します。
また、低位舌の状態だと、舌が喉の奥の方に広がり、気道が狭くなります。すると、呼吸がしにくくなるので、口呼吸になりがちです。
「唇や舌の位置が正しければ、必ずよい歯並びになる」という訳ではないですが、大きな要因であることは間違いありません。
唇や舌を正しい位置にキープするために、お口のトレーニングを少しですが紹介します。
①ブクブクうがい
頬をふくらませ、勢いよくうがいをします。その後、「ウ」の口にして、そーっと水を吐き出します。
②ベロ回し
舌を唇と前歯の間に入れて、歯に沿わせるようにしてグルグル回します。ゆっくり大きく行いましょう。
③ガムでトレーニング
ステップ1 二粒のガムを表面が滑なかになるまで噛む
ステップ2 こめかみに手を当て、右側で10回噛む、左側でも同様に10回噛む。
ステップ3 頬に手を当て、右側で10回噛む。左側でも同様に10回噛む。
ステップ4 頭に手を当て、右側で10回噛む。左側でも同様に10回噛む。
ステップ5 舌の上にガムを丸めたら、舌で上顎に押し付ける。
その時、前歯にガムがつかないようにしましょう。
ステップ6 もう一度舌でガムを丸めて、上顎に押し付けたまま唾液を飲み込む。
ステップ7 舌を上に押し付けたまま、口を大きくあける。
ステップ5~7を5回繰り返す。
なかなか噛めない場合は、回数をはじめは少なくしましょう。無理のないように。
当医院でも、歯の石灰化を促す、POs-CaFを販売してます。お口のポカンの方は是非試してみてください。
春の訪れが待ち通しい、そして平和の大切さを思い知らされる今日この頃です。
こんにちは、衛生士の内山です。
今回はお口の細菌の中の悪玉菌、ジンジバリス菌の紹介です。
あまり聞きなれない名前ですが、歯周病菌として知られている菌の一つです。
この細菌、実は高齢者の命を密かに狙っているんです。
このブログで度々出てくる誤嚥性肺炎。この肺炎の重症化に大きく関わっているのです。
ジンジバリス菌には得意技があります。
①酵素を出し歯茎や歯を支える骨を破壊
②喉を守る粘液をこわしウイルスに感染しやすくする
③他の悪玉菌と組みネバネバ物質を作り、抗生物質を跳ね飛ばす
誤嚥は誰にでもおこることですが、特に高齢になり免疫力も落ちている人は細菌を押し返す気道粘膜の絨毛の活動が低下し、咳反射も弱くなっているため、誤って気道に流れ込んだ細菌入りの唾液を上手く排除できません。また口周りの筋力の衰えとともに飲み込みが上手く出来なくなって唾液や食べ物が気道に入ると大量の細菌が肺に入り込みます。そのうえ免疫細胞の働きも弱くなっているため、重篤な肺炎を引き起こしてしまいます。
ただでさえ危険な誤嚥性肺炎ですが、このようなジンジバリス菌等の悪玉菌がたくさん含まれていることで重篤化のリスクが上がってしまいます。おまけにこの菌、他のお口の悪玉菌と結びついてネバネバ物質をつくるので抗生物質がききにくいのです。
また、ジンジバリス菌等お口の細菌とインフルエンザや新型コロナウイルスが混合感染すると、更なる重症化を引き起こすことが分かっています。
ジンジバリス菌は歯周ポケットで増殖します。
ジンジバリス菌の餌はなんと血液です。そして酸素が苦手。まるで日光を嫌う吸血鬼のようです。お口の中が不潔で歯周ポケットから出血があればそれは恰好の住処になり増殖し、唾液に混ざってコッソリ肺へ流れ込み弱った人の命をねらいます。
1000種類以上いる口腔内細菌、きれいに歯磨きしている人でも100億個、不潔な人だとなんと1兆個もの細菌が口腔内に棲んでいます。お口の中をキレイに保つことは、歯や歯茎を守るためだけではなく命をまもることにもつながります。日頃から丁寧な歯磨きを心がけましょう。
最も歯周ポケットが深いと自力での清掃は難しくなりるので歯科医院でのプロのお掃除が必要となります。自分の歯周ポケットは大丈夫か、久しく歯医者にいっていない人は一度検診にいってみてはいかがでしょうか?
お口の清潔は健康の第一歩です!